ダイオードI-V特性測定器作成:5-2. 実験 – 種々のダイオードを測定
本記事の主旨
自作のダイオードI-V特性測定器(カーブトレーサ)での、種々のダイオードI-V特性測定結果について記す。
本記事の目的
本記事の目的を以下に記す。
- 自作のダイオードI-V特性測定器(カーブトレーサ)で、種々のダイオードに対してI-V特性測定をすること
- 測定結果により、使えるダイオードの範囲を確認すること
本記事の背景
ダイオードI-V特性測定器(カーブトレーサ)を自作した。
その性能を評価していないため、本記事で評価する。
本記事の位置づけ
以下の流れで作業説明と解説を行った。
記事に対応したリンクを添付した。
概要説明:ダイオードI-V特性測定器作成:0. 概要 | 工事中.com
- 取扱説明
- 回路設計
- ダイオードのI-V特性を手作業で確認
- 回路の実装
- 回路の実装(PWM平滑化)
- 回路の実装(PWM平滑化以外)
- PC側ソフト設計
- pySerialでUSBシリアル通信
- Matplotlibでのグラフ表示
- Pythonで最小二乗法の指数関数近似
- openpyxlでグラフ描画と最小二乗法の指数関数近似
- マイコン側ソフト設計
- Arduino Uno Rev3 / R4 Minima
- Raspberry Pi Pico / Pico 2
- 実験
- 1N4148の測定でマイコンとソースの組み合わせを比較
- 種々のダイオードを測定★現在のページ
- 種々の高精度ゲルマニウムダイオードを測定
- まとめと補足
実験
今回用いたダイオードは以下である。
最初の三つは、手動測定でも行ったダイオードと同じである。
1N4148
シリコンハウスで購入した、電子工作の定番ダイオードである。

謎のダイオード
日米商事のジャンク袋から入手したダイオードである。

1K60
シリコンハウスで購入した、UNIZONのゲルマニウムダイオード1K60である。
有名な、1N60相当の品である。
確かに、秋月に売っていた1N60と外見はそっくりである。

他抵抗とLED
抵抗は100[Ω]。
LEDはすべてデジットで購入した特価品。
LED赤:型番はSLR-342VRTH7、10本60円だった。
LED黄:型番はSLR-343YYT32、10本60円だった。
LED緑:型番はSEL2410GTR1、10本60円だった。

比較結果
それぞれ、Excelファイルのグラフで比較した。
タイトルをPC側ソフト中で指定しているため、本来タイトルはすべて固定の文字列となっている。
今回、タイトルの文字列は、測定後に手動で変更した。
1N4148
測定結果

考察
今回も前回の実験と室温が変わらないはずだが、データシートに近い値が出た。
室温によらないI-V特性の変化が、大きいと考えられる。
謎のダイオード
測定結果

考察
1N4148よりも決定係数は小さいが、近似曲線からずれている電圧がないように見える。
ダイオードのI-V特性を理想的な指数関数であるとして扱う場合には、このダイオードが有用そうだ。
1K60
測定結果

考察
順方向電圧自体は低いが、緩やかなカーブを描いている。
半分抵抗のようなI-V特性のダイオードである。
100[Ω]抵抗
測定結果

考察
ダイオードとは異なり、しっかり線形なI-V特性をしている。
グラフからも、測定対象が100[Ω]抵抗であることがわかる。
抵抗を測定することで、測定器に問題があるかが明確にわかりそうだ。
LED赤
測定結果

考察
1.6[V]~1.7[V]が、順方向電圧であることがわかる。
順方向電圧が波長の逆数順と同じ、LED赤<LED黄<LED緑となっていることがわかる。
LED黄
測定結果

考察
1.7[V]~1.8[V]が、順方向電圧であることがわかる。
順方向電圧が波長の逆数順と同じ、LED赤<LED黄<LED緑となっていることがわかる。
LED緑
測定結果

考察
1.8[V]~1.9[V]が、順方向電圧であることがわかる。
順方向電圧が波長の逆数順と同じ、LED赤<LED黄<LED緑となっていることがわかる。
前回(5-1. 実験 - 1N4148の測定でマイコンとソースの組み合わせを比較)
次回(5-3. 実験 - 種々の高精度ゲルマニウムダイオードを測定)
他の回
「ダイオードI-V特性測定器作成 連載記事」でタグ付けを行っている。
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昔からあるダイオード規格表。












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